能登半島地震による設備の故障などの影響で数々の生きものが死に、半年以上休館していた石川県七尾市の「のとじま水族館」が20日、営業を再開した。待ちわびた家族連れらが訪れ、色とりどりの魚やペンギンが悠々と泳ぐ姿に「かわいいね」などと歓声を上げた。
被災後、飼育が難しくなり県内外の8都府県の施設にイルカなど9種63匹が避難。20日までに、ペンギンやウミガメ計32匹が元気な姿で戻ってきた。一番被害の大きかった熱帯魚は他の水族館から提供を受け、能登近海や深海に生息する魚も展示され、来場者らは笑顔で見入っていた。
館内には施設の地震被害を伝えるパネルを新たに設置。七尾市の中学3年、藤琉進さんは「再開してうれしい半面、まだ休止している展示もあって悲しい」と複雑な心境をにじませた。
境谷仁館長は「能登の皆さんは大変な時期だが、少しでも楽しんでもらえる機会になれば」と話していた。
水族館によると、元日の地震で配管やろ過設備が破損するなどし、ジンベエザメ2頭が死んだ。イルカなどは避難を続けており、イルカショーなど一部の展示は、復帰まで休止する。〔共同〕
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