環境省は19日、災害級の熱波に備えるための「熱中症特別警戒アラート」を発表した際に市区町村が開放する「指定暑熱避難施設」(クーリングシェルター)の1日時点の準備状況を発表した。全国の約4割に当たる47都道府県710市区町村が、公民館や商業施設など計約1万1千施設を指定していた。

伊藤信太郎環境相は19日の閣議後記者会見で「指定が進むよう後押ししたい」と述べた。環境省によると、9月末までに整備予定の自治体を含めると、計899市区町村が指定する見通し。

クーリングシェルターは、4月に全面施行された改正気候変動適応法で市区町村が事前に指定するとされた。環境省が全国1741市区町村の施行後の指定状況を調べ、結果を同省ホームページで公表した。

環境省によると、1日時点で茨城県や富山県が全市町村で整備。一方で、特別アラートの発表実績がないことから、指定の必要性を疑問視する自治体もあったという。環境省の担当者は「気候変動による厳しさは増しており、(指定に)取り組んでほしい」としている。

特別アラートは、近年、熱中症による死者がほぼ毎年、千人を超えていることを踏まえて新設され、本年度から運用が始まった。気温と湿度などから算出する指標「暑さ指数」が都道府県内の全地点で35以上になると予想される場合、前日午後2時ごろに発表する。〔共同〕

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