厚生労働省は19日、小林製薬の紅麹(こうじ)原料を含む機能性表示食品による健康被害を巡り、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)の調査で、健康被害情報のあった製品のロットから複数の物質が検出されたと発表した。具体的な健康被害の原因究明にはまだ時間がかかるとしている。
厚労省によると、健康被害の情報があった2023年6〜8月に製造された製品の原料品ロットについて、健康被害情報が無いロットと並行して理化学検査を実施した際、前者のみに検出された物質が複数あった。
うち一つが青カビから生成される天然化合物で毒性が強いとされるプベルル酸で、3月末までに小林製薬から報告されている。
国衛研は新たに検出された複数の化合物について、質量や化学構造の分析などを通じて特定を急ぐ。特定できた後は、これらの物質が原料品ロットに混入した経緯について調査する。
紅麹原料の元となる紅麹菌が生み出す化合物かどうか、そうでない場合もカビが生み出す化合物かどうかなどについて検証を進める。厚労省の担当者は「(原因究明には)一定の時間がかかるが、できる限り作業を急ぐ」と説明する。
小林製薬が製造した「紅麹コレステヘルプ」などの機能性表示食品については、腎機能の異常などの健康被害の情報が寄せられている。同社によると18日までに累計1400人超が医療機関を受診し、240人が入院した。また同社への相談件数は累計8万8000件に上る。
【関連記事】
- ・小林製薬、床に落ちた材料で「紅麹」原料を製造
- ・機能性食品、安全・報告・発信を議論 消費者庁で初会合
- ・「紅麹」有毒成分、カビが外部混入か 23年製造3割で検出
- ・小林製薬の紅麹、有害物質は未検出も「意図せぬ」成分
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。