パチスロ機メーカー大手、ユニバーサルエンターテインメントの創業者、岡田和生元会長(81)が東京国税局の税務調査を受け、香港の資産管理会社の所得を巡って2020年までの3年間で約50億円の申告漏れを指摘されていたことが23日、関係者への取材で分かった。

タックスヘイブン(租税回避地)対策税制が適用された。追徴税額は無申告加算税を含め約27億円。元会長は不服として国税不服審判所に審査請求したが、棄却された。

関係者によると、元会長は10年、日本より税率の低い香港に資産管理会社を設立した。親族らと株を持ち合うなどして一時は約1000億円相当の個人資産を管理していた。同社はユニバーサル社の株を持ち、配当を受け取っていたほか、利息などでも収入があったという。

同税制は税率が低い国や地域にある関連法人の事業実態がないと認定された場合などに、所得を日本の法人や居住者の所得と合算して課税することで国際的な租税回避を防ぐ制度。

東京国税局は、香港の会社に事業実態がないと判断し、同社の所得の一部を元会長個人の所得と合算して日本で申告すべきだと指摘したもようだ。

国税庁によると、富裕層による申告漏れ所得は22事務年度に計980億円で、統計を取り始めた09年度以降で最も多かった。国税当局は18年から共通報告基準(CRS)情報と呼ばれる金融口座に関する情報を交換するなどして海外税務当局との連携強化を進めている。

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