厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会の小委員会が24日、2024年度の最低賃金(時給)を引き上げる目安を50円と決めた。その通りに引き上げられた場合、群馬県は現在の935円から985円になる。今まで同じ900円台だった栃木、茨城両県は1000円の大台を超え、関東で唯一1000円未満となるとみられる。8月8日にも群馬地方審議会が引き上げを答申する見通し。

 山本一太知事は25日の記者会見で、「北関東や関東で低いからといって特に問題視するつもりはない」と強調する一方、「産業力を強くする中で自然に賃金が上がるのがあるべき姿だ」とも述べ、デジタル産業など成長産業の強化に取り組む考えも示した。

 群馬は22年度に関東で唯一900円未満の895円で、23年度に935円に引き上げたばかり。県労働政策課によると、群馬の消費者物価水準の低さに加え、改定目安のランクが以前は栃木・茨城のBランクより低いCランクで、引き上げ幅が低い時期が続いたことも要因という。今後は最低賃金以外の県民所得などを「5、10年後に栃木、茨城よりも上げるのが大きな目標」(宇留賀敬一副知事)としている。【田所柳子】

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