神戸総合医療専門学校(神戸市)で、教員から同級生約80人の前で謝罪を強要されるなどのアカデミックハラスメントを受けたとして、卒業生の男性(26)が26日、運営する医療法人社団「慈恵会」(同市)を相手取り、約330万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こした。
訴状によると、男性は在校中の2023年、就職活動のため神戸市や千葉県の病院を見学したが、教員らから「実習期間中の見学は認められていない」と指摘された。さらに「なにか処罰をしないとあかんな」「1年棒に振れますか?」と留年を示唆され、同級生全員の面前での謝罪や反省文の提出を強要された。
男性は教員に従い謝罪したが、ストレスでうつ病や睡眠障害を発症。同10月から約5カ月間、投薬や通院治療を余儀なくされたという。原告側は「病院見学は就職活動で必要な行為で、実習中禁止されている明確な規定はなかった」と主張し、「学校側が就職活動の自由を侵害した」と訴えている。
学校側は取材に「実習に集中してもらうため、期間中は病院見学を控え、やむを得ない場合は教員に相談するように指導していた」と説明。ハラスメントの有無については「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」とした。【大野航太郎】
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