活動開始前に注意事項など説明を受けるボランティア(30日午前、山形県酒田市)=共同

記録的大雨に見舞われ、多くの住宅が浸水被害に遭った山形・秋田両県で30日、災害ボランティアが活動を開始し、家屋の片付けや泥のかき出しを手伝った。両県によると、全半壊や床上・床下浸水を含む住宅被害は29日時点で山形766棟、秋田198棟。自治体調査が進めばさらに被害が増える可能性もある。住民の生活再建が課題だ。

山形県酒田市には県内外からボランティア約30人が集まった。暑さ対策など活動上の注意点を話し合った後、グループに分かれ、被害が大きい地区の住宅へ向かった。東京都板橋区の会社員の男性(32)は1週間ほど活動する予定で、「仕事の関係で酒田市の人たちと付き合いがあり、恩返しがしたい」と話した。

自宅1階と物置が浸水した同市観音寺の男性(71)は「94歳の母と2人暮らしで片付けが大変だった。家具の運び出しなどを手伝ってくれて、すごく楽になった」と喜んだ。

秋田県の佐竹敬久知事は、堤防が決壊した由利本荘市の石沢川などを視察。田んぼに土砂や木が流れ込むなどの農業被害も確認し「営農を継続できるよう県の補正予算を組み、国にも(支援を)要望したい」と語った。

両県では、住民の救助要請で出動中だった山形県警の警察官2人が死亡するなどしたほか、行方不明者の捜索も続く。山形県では、停電や断水、携帯電話が不通の地域も依然として残っている。〔共同〕

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