男子ストリート決勝でスケートボードを手にする堀米選手=目良友樹撮影

初めて競技が正式採用された東京五輪で金メダルを獲得したスケートボード男子ストリートの堀米雄斗選手(25)は、前回覇者が背負うプレッシャーと闘ってきた。「スケボーをメジャーにしたい」と夢を語り、連覇を果たした。

「基本的にはのんびりしたマイペースな性格。ただ、結果を出すときは爆発的に出す」と話すのは、父の亮太さん(49)だ。

3年前の東京五輪。亮太さんは予選での息子の滑りに「かなりあやしい。これは厳しいな」と感じ、観戦をやめて自転車で荒川河川敷へ向かったという。結果は気になったものの、緊張から直視できず、コーヒーを飲んだり、ほかのロードバイクと競争したりして過ごした。

しばらくすると、勤め先の同僚から電話がかかってきた。「銅か?」「金だよ」。心配をよそに、堀米選手は結果を出していた。

初めての五輪王者となった堀米選手にのしかかった重圧は相当なものだった。昨年の世界大会ではまさかの予選敗退。東京五輪後のルール変更も影響したとみられるが、笑顔が消える場面が増え、亮太さんは「プレッシャーがかかっている」と感じた。

今年6月、パリ五輪代表を決める最終予選。複数レースで獲得したポイント上位が切符を手にできるが、堀米選手は出場圏外の日本勢5位にいた。最終日、決勝に進んだ堀米選手は大会を制し、土壇場でパリ行きを決めた。

「もっとスケートボードをメジャーにしたい」と夢を語る堀米選手。支える亮太さんは「頂点に立っても泥臭さがなくなったら終わり。どこまで行ってもなくさないでほしい」と先を見詰めた。(時事)

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