神戸市役所=渡辺暢撮影

 神戸市は、災害時の対応に女性の視点を取り入れるため、地域防災計画を作成する防災会議委員を7月に入れ替えた。市幹部の充て職にしていた委員枠に女性幹部職員を大量登用。1割強だった8人の女性委員を27人に増やしたことで、比率は4割を超えた。

 市危機管理室によると、防災会議は久元喜造市長と3人の副市長が会長、副会長を務め、他に64人の委員で構成。地方整備局や海上保安本部など国の出先機関と県警、JR西日本やNTT西日本、NHKなどの指定公共機関、自主防災組織代表や有識者、市医師会などから委員を選んでいる。

 会議には市から教育長、消防局長に加え、従来は全ての区長と一部の局長が充て職として入っており、大半が男性だった。今回、区長と局長の委員枠(18人)の全てに部長級以上の女性幹部職員を登用した。こども家庭局や福祉局、避難所を担当する区役所など市民生活に密着した部署が多く、医師や保健師、福祉や土木、建築などの専門職員も含まれている。

 災害時の避難所の運営が男性中心となり、男女の役割が固定化されたり、女性の意見が通らなかったりする弊害が被災地で起きている。そのため、自治体の防災会議の構成について、国は女性比率を2025年までに30%に上げる目標を掲げている。神戸市も40%を目指しており、外部団体にも女性委員の推薦を求めていた。

 6日に第1回会議を開き、1月の能登半島地震を踏まえ災害対策の点検を始める。市危機管理室の担当者は「防災に女性の視点を取り入れるため選出を見直した。地域防災計画に積極的に反映していきたい」と話している。【栗田亨】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。