大阪府に住む60代の介護士の女性が現金1億円以上をだまし取られる詐欺被害にあいました。

女性は著名な経済アナリストから投資のアドバイスをもらえるという広告にアクセスし投資を続けていました。

■「森永卓郎氏にアドバイスもらえる」顔写真のアイコンで信じ込む

被害にあったのは大阪府に住む60代の介護士の女性です。

警察によると女性は去年12月、SNS上で経済アナリストの森永卓郎氏に投資のアドバイスをもらえるという広告を見つけ、アクセスしました。

そこから女性はSNSので複数人がメッセージをやり取りする「グループチャット」に誘われ、このグループに入ったところ、アカウントの顔写真が森永氏だったことなどから、森永氏にアドバイスが受けられると信じたということです。

■「資金1億円で毎月配当」「5000万円で毎月50万」甘い言葉で勧誘

そしてここから詐欺の被害へと進んでいきます。

手口は以下のようなものです。

・SNSで森永氏のアシスタントだという「末吉奈緒(すえよし・なお)」という人物が登場。
・この人物から「資金が1億円に達すれば、毎月配当金がもらえる」「5000万円だと毎月50万円のチャンスがある」などと「アメリカの金取引」に関する勧誘を受ける。
・女性が指定された口座に900万円を振り込むと、アプリ上でおよそ26万円の利益が出ているように表示された。

こうして信じ込んでしまった女性は投資を続け、去年12月からことし2月にかけて7回にわたりあわせて現金1億1167万円を振込みました。

家族から「詐欺ではないか」と言われたことやアプリ上でおよそ3億円に増えていた資産を引き出そうとすると、引き出すには5億円必要と言われたことなどから女性は詐欺に気づいたということです。

■「ひな」名乗る人物通じ『ナジル先生』の指示受けて投資 巨額の利益がきっかけに

また大阪府に住む60代の自営業の男性も1億830万円をだまし取られる被害にあいました。

こちらの手口は…

・男性がことし5月にSNSで知らない女性のアカウントをいつの間にかフォローしていることに気づく。
・この女性=「ひな」を名乗る人物から「投資をして資産を倍増しませんか?」などとメッセージが送られてくる。
・男性は「ひな」に「良い印象」を持ったため、メッセージでやり取りを続ける。
・すると「私の会社が忙しいので、IDとパスワードを教えるから代わりに投資してほしい」「『ナジル先生』の指示通り取引してくれたらいい」と言われる。
・「Mtft」という国際ゴールド取引所を教えられ、指示通り取引したら「200万円」の利益。
・これをきっかけに男性はSNSの投資グループに参加。
・個別の口座の開設料、「『ナジル先生』の直接指導料」などの名目で入金を指示される。

男性は7月まで16回にわたり、あわせて1億833万円を振込んでしまったということです。

■「SNS投資詐欺」「ロマンス詐欺」多発中 警察が注意呼びかけ

大阪府警によると、今回の2つの事件のようなSNSを使って勧誘する「SNS型投資詐欺」のほか、SNSなどを使って、恋愛感情を持たせたうえで金をだまし取る「ロマンス詐欺」が多発しています。

大阪府下では、警察が把握しているだけで、去年1年の間に420件発生し、被害総額はおよそ49億円でしたが、ことしはすでにおよそ560件、被害総額は69億円を超えています。

警察はと注意を呼びかけています。

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