ゲーム大手「セガ」からオンラインゲームで利用するポイントをだまし取ったとして、警視庁サイバー犯罪対策課は8日、中国籍の会社員、楊皓天容疑者(32)=東京都荒川区=を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕したと発表した。同社は少なくとも1億円超相当のポイントをだまし取られる被害に遭っており、同課は実態の全容解明を進める。
逮捕容疑は、2022年12月、埼玉県の30代男性から依頼を受けて、セガが運営するオンラインゲームのサーバーコンピューターに不正な情報を送信し、ゲーム内で使うポイント約8万円相当をだまし取った疑い。
同課によると、楊容疑者は「(ポイントを購入する)代行依頼は受けていたが詐欺はしていない」などと否認している。
同容疑者はゲーム用のポイントやアイテムを現金で取引する「リアル・マネー・トレード(RMT)」のサイト内で、正規料金より安価でポイントを入手できるとうたい、「課金代行業者」として集客していた。依頼者の30代男性が同容疑者に支払った報酬は約4千円だった。同課は男性についても任意で捜査している。
同容疑者は依頼者から受け取ったIDとパスワードでゲームのアカウントにログインし、ゲーム会社のサーバーに虚偽の情報を送信。アカウントにポイントを付与して依頼者に返却していたという。21年12月〜23年8月に同様の手口で約3500件の取引をおこない、3500万円以上を売り上げていた。
23年1月にセガ側が警視庁に被害を申告。同社の複数のゲームで同様の不正行為が横行しており、同社が把握している被害は22年秋以降で総額約1億3千万円に上る。
同庁サイバー犯罪対策課は「代行を依頼した側も罪に問われる可能性がある。安易に依頼せず、ゲーム会社の規約にのっとって正規の手続きで課金してほしい」と呼びかけている。
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