東京労災病院=19日、大田区(前島沙紀撮影)

東京労災病院(東京都大田区)を巡る贈収賄事件で、医療機器メーカー「HOYAテクノサージカル」の社員、加藤高彰容疑者(39)=贈賄容疑で逮捕=が同病院を担当して以降、同社製品の使用率が拡大していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査2課は同社が病院側と関係を深めた経緯を調べる。

捜査関係者によると、加藤容疑者は、平成30年4月から東京労災病院整形外科の営業を担当。以降、骨折などの際に体内に埋め込む機器「インプラント」の使用率が大幅に高まり、製品の種類によっては他社製品がほぼ使われない独占状態になっていたという。担当になる以前は整形外科で同社の製品はほとんど使われていなかった。

加藤容疑者は、同病院整形外科副部長の医師、浅沼雄太容疑者(41)=収賄容疑で逮捕=との間で、同社の製品を使用すると「1ポイント」を付与すると取り決めていた。1ポイントは1万円相当とし、浅沼容疑者は飲食代などの領収書と引き換えにポイント分の現金を得ていた。

捜査2課は、浅沼容疑者が立場を利用して整形外科内で同社の製品の使用率を上げ、回数に応じて賄賂を受け取っていたとみて癒着の実態を解明する方針。

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