自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた清和政策研究会(安倍派)事務局長兼会計責任者の松本淳一郎被告(76)に対し、検察側は9日、東京地裁の公判で禁錮3年を求刑した。
起訴状によると、松本被告は2018~22年分の安倍派の収支報告書に、収入と支出をそれぞれ計約6億7000万円少なく記載したとされる。
検察側の冒頭陳述によると、安倍派では以前からパーティー券収入のノルマ超過分をキックバック(還流)したり、議員側が事務所でプールしたりしていた。
19年2月に会計責任者に就任した松本被告は、収支報告書に還流分を記載しない運用をしていると前任者から引き継ぎを受けた。それまで還流が発覚してこなかったことから虚偽記載を継続したという。
安倍派では還流の中止が一旦22年4月に決まり、後に再開されたが、検察側はそうした経緯には言及しなかった。
松本被告は初公判で起訴内容を大筋で認めた。被告人質問では、22年7月末に「ある幹部議員」から還流再開の要望があり、その後の幹部協議で再開を決定したと述べた。幹部議員が誰かは明かさなかった。【飯田憲】
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