2人の遺体が見つかった現場付近に張られたブルーシート(16日午後、栃木県那須町)=共同

栃木県那須町で全身が焼かれた男女2人の遺体が見つかった事件で、警視庁などは21日、建設業の平山綾拳容疑者(25)=埼玉県越谷市=を死体損壊容疑で逮捕した。警視庁と栃木県警は同日、合同捜査本部を設置した。他にも事件に関与した人物がいるとみて捜査している。

逮捕容疑は16日未明から朝までの間、何者かと共謀して栃木県那須町内の河川敷で男女2人の遺体に火をつけて焼損させ、遺体を損壊した疑い。同本部は認否を明らかにしていない。

男性は会社役員の宝島龍太郎さん(55)=東京都千代田区=で、女性は40〜60代とみられ、宝島さんの妻の可能性がある。合同捜査本部によると、都内の防犯カメラの映像から宝島さんは16日午前0時ごろまで生存していたことが確認されている。

栃木県警はこれまでに現場近くの防犯カメラに映っていた黒色の乗用車を押収しており、平山容疑者のものと判明した。同本部は車が犯行に使われたとみて、経緯を詳しく調べる。

平山容疑者は17日に東京都内の交番に出頭。捜査関係者によると、任意の事情聴取に対し「車を貸した」と説明していた。

宝島さんが事件前日に複数の人物と接触していることも確認されており、合同捜査本部はこれらの経緯を踏まえ、事件には平山容疑者以外の人物も関わっていたとみて全容の解明を進める。

事件は16日に発覚した。栃木県那須町の河川敷で男女2人の焼損遺体が見つかり、近くからはガソリンの携行缶のようなものが発見された。2人の頭部には袋がかぶせられ、テープが巻かれていた。司法解剖の結果、死因はともに頸(けい)部圧迫による窒息死で、女性は頭部に外傷があった。合同捜査本部は女性の身元の特定を進めている。

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