強い勢力を維持した台風7号の接近で、首都圏の交通網では16日の計画運休が相次いで発表された。東海道新幹線や東北新幹線のほか、鉄道各社は多くの在来線の運転取りやめを決めた。気象庁は上陸の可能性は低いとしながらも、東日本を中心に猛烈な雨や風が予想され、厳戒態勢が敷かれる。
気象庁によると、台風7号は16日から17日にかけ、強い勢力で東日本や東北地方に接近する。同日にかけて猛烈な風が吹き、関東地方では猛烈な雨が降る見通し。関東甲信の8都県では16日にかけて線状降水帯が発生する可能性がある。
台風7号は15日午後3時時点で、東京・八丈島の南南東約310キロを時速15キロの速さで北に進んだ。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル。
台風7号は今後関東地方の東海上を北上する予想で、気象庁担当者は「上陸の可能性は高くない」との認識を示した。一方で速度が遅く、関東を中心に雨や風の影響が長引く可能性があるとしている。
お盆シーズンで帰省や旅行中の人がいることをふまえ、滞在先の自治体が提供する河川氾濫の危険性などの情報を積極的に確認することを求めた。交通網の乱れを念頭に移動の計画を立てるよう呼びかけた。
交通各社は相次いで計画運休を発表した。
JR東海は14日時点で、東海道新幹線の東京―名古屋間で運休すると発表した。名古屋―新大阪間で1時間に2本程度の「こだま」を運行し、全席自由席とする。同社によると、東海道新幹線では23年8月に名古屋―新大阪間で計画運休をして以来の対応となる。
JR東日本は16日の東北、上越、山形各新幹線の一部列車を運休することを決めた。在来線も湘南新宿ラインなど一部で運行を取りやめる。都心と成田空港を結ぶ成田エクスプレスの一部や、東京メトロ東西線は東陽町―西船橋間で16日午前10時半ごろ以降に運休となる。
一方、東急電鉄は16〜17日にかけて計画運休はしないと発表した。
国土交通省の担当者は通勤者への影響について「それぞれの業務の性質に応じて柔軟な対応をとってほしい」と述べた。テレワークへの切り替えなどを検討する企業もあるとみられる。
空の便にも影響が出ている。全日空は16日、羽田―伊丹便を中心に計281便の運航をとりやめる。日本航空は羽田発着便の計281便のほか、国際線の羽田・成田発着の37便を欠航する。
強い台風が首都圏に接近するのは2019年10月に上陸した台風19号以来で、関東を含む広域で計画運休となった。気象庁担当者は今回の台風7号について「(台風19号と比べ)規模が大型ではなく当時ほど影響が広がることはない」との認識を示した。
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