続いては備えの基本を押さえて防災力アップを目指す備えのツボ。今回は「地盤」についてです。

8月8日に宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震を受け、気象庁は8月15日まで南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を発表していました。

身の回りの家具の固定や防災グッズの備蓄などは既に取り組まれた人も多いのではないかと思いますが、もう一つ注意してほしいのが地盤です。7月に撮影された石川県能登半島の映像を見ると地震で倒壊した建物が半年以上経った今もそのまま残されていることが分かります。

地域によって建物の倒壊の仕方が異なっているように見える原因の一つが「地盤」にあると言われています。災害時に地盤が与える影響について地盤のプロに話を聞きました。

岡山市東区にある建築地盤の調査や施工を展開するサンベルコです。

(サンベルコ地盤事業部 三好弘朗係長)
「岡山の地盤の特徴は江戸時代から干拓をしてきたので非常に軟弱。液状化という言葉があると思うが軟弱な地盤では液状化が起こりやすい」

液状化は干拓地や埋め立て地など水分を含んだ砂の多い地盤で起こります。また、震度5以上の地震に伴って発生することが多く南海トラフ地震では香川県で最大震度7、岡山県で最大震度6強の地震が想定されているため岡山・香川両県で液状化のリスクが高くなっています。

この液状化によって地盤対策の整っていない古い建物などでは建物が傾いて沈む不等沈下が発生しやすくなります。

(サンベルコ地盤事業 津々憲一統括部長)
「まっすぐ沈むのは家には全く支障はないが傾いて不等沈下を起こすと建物や生活に支障が出る」

建物は1メートルにつき1センチ傾くだけでもほとんどの人にめまいや頭痛や吐き気などの症状が現れるほか、倒壊の恐れもあります。同じ地域でも少し離れるだけで地盤は大きく異なることがあり、自分の住んでいる場所の地盤を知ることが大切だといいます。

(サンベルコ地盤事業部 三好弘朗係長)
「ハザードマップで液状化の予測があるのでまずは情報を自分で仕入れることが大事。その中でどういった動きが出来るかを考えることが大事」

岡山・香川の液状化の危険度を予測した図を見ると、両県とも瀬戸内海沿いの水分を多く含んだ砂の地盤が広がる地域の危険度が高くなっています。

そこで、押さえてほしい備えのツボは「地盤を意識した防災を」です。自宅や避難場所の地盤を確認し、いざという時に備えましょう。

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