秋田県内では2024年、7月までに「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」で3億円を超える被害が確認されている。被害が後を絶たない中、X(旧ツイッター)に投稿されたある漫画が注目を集めている。作ったのは、日々県民の安心・安全な生活を守ろうと奮闘する警察官。「詐欺被害を防ぎたい」という強い思いが込められている。

Xに投稿された漫画。警察官の日常を紹介するほか、詐欺の被害に遭わないよう呼びかけるものが並ぶ。恋愛感情を抱かせて金をだまし取る「ロマンス詐欺」のやり取りを表現した漫画では、「投資をして私と一緒に幸せになりましょう」など実際のやり取りが忠実に再現されている。

この漫画を作ったのは、実は能代警察署の署員だ。

「漫画だと広い世代にアピールできるし、文字よりも目に入りやすいと思い、漫画で情報発信することを思いついた」と話すのは、能代警察署生活安全課の佐藤公一巡査部長。詐欺で多額の金をだまし取られる被害が後を絶たない中、「何かできることはないか」と考え、思いついたのが漫画だった。

 能代警察署生活安全課・佐藤公一巡査部長:
「ロマンス詐欺や特殊詐欺は若い人が被害に遭っているので、多くの人に見てもらって犯罪が身近にあることを少しでも感じてもらい、1人でも被害者が減るといいなと思う」

警察官と漫画。結びつきがないように思えるが、佐藤巡査部長は「捜査用似顔絵を何度か担当して、研修もやって学んだ技術が今回の漫画作成に生きていると感じる」と話す。

ところで漫画の登場人物は、やはり能代警察署の署員だ。

実際に描いてもらった。素早くかつ丁寧に筆を走らせ、約5分で完成。モデルになった署員は「光栄です」と照れ笑いを見せた。

能代警察署が手がけるシリーズ漫画の最新作は「刑事課の日常」。担当したのは、署内2人目の“漫画家”、刑事課の小沼龍也巡査だ。

小沼巡査は「フィクションで描かれる刑事課とは違って上司や先輩に相談しやすい空気で、事件など関係なく仲良く過ごしているので、作品には相談しやすいことと話しやすいことが落とし込めた」と話す。

警察に親しみをもってもらうとともに、県民の安全安心な生活を守るために、能代警察署の漫画を通じた呼びかけは続く。

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