SNSで「頂き女子りりちゃん」などと名乗り、発信していた渡辺真衣被告=動画投稿サイト「ユーチューブ」より

 「頂き女子りりちゃん」を名乗って詐欺マニュアルを販売し、自身も男性から現金をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた渡辺真衣被告(25)に対し、名古屋地裁(大村陽一裁判長)は22日、懲役9年、罰金800万円(求刑・懲役13年、罰金1200万円)の有罪判決を言い渡した。

 起訴状によると、渡辺被告は2021年3月~23年8月、マッチングアプリなどで知り合った男性3人の好意につけ込み現金計約1億5580万円を詐取したとされる。また、女子大学生に詐欺の手口をまとめたマニュアルを販売するなどし、男性2人から計1065万円を詐取するのを手助けしたなどとされる。

 検察側は公判で「交際相手を求める被害者の心情につけ込んだ卑劣な犯行」と指摘。また、「(詐欺)マニュアルの頒布により『頂き女子』の呼称は社会に広く流布し、社会的影響も看過できない」と強調した。

 弁護側は「ホストに利用されたにすぎず、被害者的な側面がある」などとして寛大な処分を求めていた。

 被告人質問で渡辺被告は「自宅にも学校にも居場所がなかった」とし、20歳ごろからホストクラブに通い詰めるようになったと説明。「売り上げに貢献し『エース』になることを目指した」と述べ、頂き行為については「(被害者の)気持ちを裏切ってしまった。後悔している」と謝罪した。【道下寛子】

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