“頂き女子”を名乗り、3人の男性から多額の金をだまし取った罪などに問われている渡辺真衣被告(25)に対し、名古屋地裁は懲役9年罰金800万円を言い渡した。検察側の求刑は懲役13年だった。

“頂き女子りりちゃん”こと渡辺真衣被告は、「借金を返済しなければいけない」などとウソを言って、男性3人から計1億5500万円余りをだまし取ったほか、その所得を申告せずに4000万円を脱税した罪などに問われている。

渡辺被告はこれまでの裁判で、いずれの罪も起訴内容を認めていた。

名古屋地裁は22日、渡辺被告に対して懲役9年罰金800万円を言い渡したが、裁判長が量刑の理由を言い始めたところ、起立して聞いていた渡辺被告の呼吸が荒くなり、ふらふらと揺れ始めたため、裁判長が着席させる場面もあった。

FNNが本人との接見を重ねて入手した手記には、少女時代に受けた父親からの暴力や母親への絶望が87ページにわたりつづられていた。

20歳の頃に出会ったホストの世界については、「ホストだけは笑わせてくれて、すごく楽しいと感じさせてくれた。こんなに楽しい経験、生まれて初めてで幸せだった。生きる意味を見つけられた、とすごく気持ちが明るくなり、人生が救われた気がした」とつづった。

ホストに貢ぐ金が用意できない時、当時勤務していた風俗店の客が、「少しだけなら助けたい」として約30万円を振り込んでくれたことをきっかけに、ほかの客からも金を引き出すようになり、男性から金をだまし取るテクニックを身に着けたという。

こうして生まれたのが、頂き女子だった。

その後、男性から金をだまし取る自身のテクニックをマニュアルにして販売するようになった渡辺被告は、多いときには、月に400万円をホストに貢ぐようになったという。

当時の罪を振り返った部分は、書き殴るような文字で「お客さんから、1000万円を出してもらった。お願いするとき、うそをついて丸めこもうとしている」「女の子に詐欺を勧めてしまった。被害者もそれにともない増えた。このおかしさに気づいて、やめられてたらよかった。ごめんなさい。私は狂ってる」と書き綴っていた。

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