アメリカやヨーロッパを交えた、台風10号の3つの進路予想を川原浩揮気象予報士と詳しく見ていきます。

台風10号はまだかなり南、サイパンのすぐ近くにあり、発達しながら接近してきています。

最新の予想では、進路が東側に寄ってきている状況で、四国から関東まで上陸の可能性が出てきているというものになっています。

勢力はかなり強まる予想になっていて、今はまだ最大瞬間風速30メートルという記録になっていますが、上陸時は55メートルまで勢力が発達する予想になったため、かなり危険な台風という状態です。

各国いろいろ予想を出していて、いつどこに直撃するのか1つの参考の情報として見ていきます。

まず日本の気象庁は、進路予想の他にスーパーコンピューターで予想しているものもあり、それを見ると、27日(火)午後9時ごろに静岡県辺りに上陸する予想を計算の1つの結果として出しています。

更にアメリカやヨーロッパも予想を出しています。

アメリカは同じ27日(火)の午後3時過ぎに東海地方に上陸の予想。これも朝に比べ、東にどんどん変わってきています。

ヨーロッパは更に早い予想をしていて、26日(月)の午後9時に和歌山県辺りに上陸の予想ということで、かなりまだばらつきがある状況です。

──なぜ東に進路がずれた?
上空の太平洋高気圧がその理由になります。
台風の進路は、太平洋高気圧と非常に連動しており、台風は太平洋高気圧のふちを沿うように動きますが、日曜日の時点では列島が広く太平洋高気圧に覆われている状況のため、台風が上がっていきたくてもブロックされてしまうような状況。
26日ぐらいから、この高気圧が割れてしまうため、台風が北に上がっていくことができる状態になります。
割れたあと太平洋高気圧は26日・27日でどんどん後ろに下がっていくとみられるため、台風の北側に上がっていくルートが最初は四国・近畿が多めでしたが、だんだん東側に変わってきている状況があります。

──上陸する場所の可能性はいろいろある?
予想1つ見ても、かなり広い範囲が対象になると思いますが、1つ紹介したいデータがあります。
ヨーロッパの進路予想で「アンサンブル予想」といわれる、線がたくさんある図があります。
これは1つの気象条件をもとにルートを計算したものが線1本。
しかし1つの気象条件は少しの差ですごく変わったりします。気温がもう少し高かったら、風がもう少し吹いたらというものがあるため、数字をいろいろ変えながら全部シミュレーションをした結果の表です。
ヨーロッパの予想では、27日辺りに日本列島の広範囲に何らかの条件の時の中心が通っていて、関東を通っているものがかなり多く、更に日本を外れていく東側の海上ルートまであるという状況。
また、北海道・東北辺りをずっとなぞっていくパターンがシミュレーションされていることが多いことがわかります。

「雨の予想」の図を27日正午から動かしていくと、静岡辺りに上陸するスーパーコンピューターの予想ですが、本体の雨雲がかかる瞬間にかなり雨が強まりそうな時間帯があり、強い雨のエリアが相当広く、まさに直撃というような状況です。

河川の増水も遅れて来て、市街地の河川が増水ということも十分にあり得ることを警戒したい状況。

もう少し動かしていくと、列島をなぞるように北上していくような予想になっています。

東北で雨を降らせたあと、日付が変わって28日(水)には北海道の広い範囲で強い雨を降らせそうな予想になっていて、東日本から北日本はほとんどが直接の影響を受けるような今の予想になっています。

──前回は“史上最強レベル”といわれていたが今回も勢力を保ったまま上陸しそうか?どれくらい警戒すればよい?
今予想されているルートは、海の海面水温がかなり高いエリアを通る予想になっています。
27度以上あると、一般的に台風は勢力を発達させるか、もしくは最低でも維持するといわれますが、このルートは全部27度以上。
心配なのは30度以上のエリアがあるため、一気に発達する可能性があり、予想の更新のたびに勢力が増している状況などが先週来た台風7号と近いところがあるため、この点、かなり心配しています。

──気圧が更に下がっていく可能性はある?
近づくとどんどん下がっていく予想にもなっているため、非常に心配です。

──いつから注意が必要?
週間天気を見ると、元々の不安定さで雨の日が多いですが、26日(月)辺りから台風の影響を受けると思ってください。
27日日(火)が特に一気に強まるため、最新情報に注意していただきたいと思います。

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