秋の味覚のサンマが23日、三陸沿岸で続々と今季初水揚げされた。この時期としては比較的大きな魚体で量もあり、不漁続きの近年では上々の滑り出し。魚市場はご祝儀相場で今後の豊漁に期待を込めた。
女川港(宮城県女川町)は午前5時過ぎから水揚げが始まり、銀色に輝くサンマ約40トンが氷入りタンクへと移されていった。漁獲したのは長崎県の第5太喜丸。近年の不漁続きで大型の棒受け網漁船の出漁解禁日が10日前倒しされ、8月10日に北海道根室市を出港し、比較的近い根室沖約560キロ付近で好漁場を見つけたという。
漁労長の深堀将吾さん(37)は「ご祝儀相場を狙って女川に来たが、昨年より大きく自信はある。目標は水揚げ日本一」と意気揚々。昨年より1カ月以上早く、8月の水揚げは6年ぶりとあって女川魚市場としては高値の1キロ当たり最高1200円の初値が付いた。
サンマの水揚げ量本州一の大船渡港(岩手県大船渡市)でも初水揚げがあった。地元水産会社所属の2隻が昨年の9倍強の計33トンを水揚げし、初値は昨年(1キロ当たり最高2300円)ほどではなかったものの、1000~1500円だった。
第11三笠丸の松谷裕漁労長(64)は「初水揚げとしては近年では良い方だが、今季の見通しは何とも言えない」と話した。【百武信幸、奥田伸一】
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