福岡市の「海の中道大橋」で幼い3人の命が奪われた飲酒運転事故からまもなく18年。
街頭での啓発や事故の風化を防ぐ取り組みが続いていますが、飲酒運転ゼロはいまだほど遠い状況です。
23日午前、福岡市中央区の昭和通り沿いに並んだ黄色い旗。
その一つ一つに飲酒運転撲滅のメッセージが記されていて、高校生らが行き交う車のドライバーに飲酒運転ゼロを呼びかけました。
Q.(海の中道大橋の)事故の時、生まれていた?
◆参加した高校生
「生まれていません。自分がそうなっていたかもしれないし、家族もそうなっていたかもしれないので、怖いと思ったと同時に悲しいと感じました」
事故があったのは、2006年8月25日午後11時前。
◆記者リポート(2006年)
「海に転落した車の中には、依然として4歳の子供が閉じ込められているということで、現在もレスキュー隊による捜索が続いています」
福岡市の海の中道大橋で、一家5人が乗る乗用車が後ろから来た飲酒運転の車に追突され橋の下に転落し、幼いきょうだい3人の命が奪われました。
福岡県警は、事故のあった8月25日から31日までを「飲酒運転撲滅週間」として、毎年、啓発活動を実施。
福岡県内での飲酒運転による事故の件数は以下の通りです。
2015年:156
2016年:158
2017年:126
2018年:144
2019年:133
2020年:111
2021年:94
2022年:91
2023年:87
2024年:56(7月末現在)
減少傾向にあるものの、ゼロとはほど遠い状況です。
海の中道大橋の事故からまもなく18年。
福岡市では23日、事故を風化させないよう遺族が高校生らに訴えました。
◆山本美也子さん
「(海の中道大橋の事故は)自分事ではなく『お気の毒に』と思った。我が家の事故はそれから5年目に起きました」
山本美也子さんの息子・寛大さん(当時16)は、海の中道大橋の事故から5年後、飲酒運転の車にはねられ帰らぬ人となりました。
◆山本美也子さん
「あんな悲しいニュースを見たのに、一人の母親として、一人の人間として、飲酒運転撲滅を叫ばなかったのか後悔をしたんです」
18年前の事故を教訓に声を上げていれば、息子は亡くならなかったかもしれない…。
後悔を背負いながら、飲酒運転ゼロに向けて活動を続けています。
◆山本美也子さん
「(飲酒運転が)ゼロになるにはほど遠い現実はあるが、声を上げ続けていくことで飲酒運転ゼロが当たり前になる社会が来ると信じて、いろんな人の力を借りながら頑張っていきたい」
2度と悲劇を繰り返さないよう語り継ぐべき過去の悲劇。
私たち一人一人が飲酒運転ゼロの実現に向けた意識を高めていくことが求められています。
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