本島中部の公園で昨年12月、16歳未満の少女を車で自宅に連れ去り、性的暴行を加えたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交の罪に問われた米軍嘉手納基地所属の空軍兵長の被告の男(25)の第2回公判が23日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)であった。被害少女が検察側の証人として出廷し、暴行された際に「やめて」「ストップ」と告げて拒否したと証言した。自身の年齢についても、指でのジェスチャーや日本語、英語で被告に明確に伝えたと強調した。

被告の男は7月の初公判で無罪を主張。第2回公判では、被害少女の同意の有無や、16歳未満であることをどう伝え、被告がどう認識したかを中心に尋問が行われた。

 被害少女は連れて行かれた被告宅でキスをされそうになり、体と顔を後ろにそらして回避しようとしたと話し、被告との接触の同意を否定した。

 昨年7月には被告宅付近の路上で外国人男性に無理やり体を触られており、被告宅に到着した際に「(同じ男性だと思い)逃げられないと思った」と話した。事件後は自傷行為を繰り返し、夜は眠れず睡眠薬を服用していると語った。

 被告側弁護人は反対尋問で、抵抗の度合いや、スマートフォンで外部に助けを求めなかった理由を尋ねた。被害少女は恐怖のあまり「そういう思考ができなかった。体が動かなかった」と答えた。

 続いて尋問に臨んだ母親は、被害少女が帰宅直後に泣き出したことに驚き、何があったのか尋ね、すぐに110番通報したと証言した。

 法廷にはコの字形の遮(しゃ)蔽(へい)板が設置され、傍聴席や被告人席から被害少女が見えないようにして質問が行われた。

 次回公判は30日。被告人質問が予定されている。

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