2歳の時に広島で被爆した西純子さん(左)。母の残した被爆体験の手記を基に惨状を語った=横浜市西区で2024年8月23日、遠藤和行撮影

 神奈川県内在住の被爆者が被爆当時の体験や光景を描いた絵を展示する「原爆と人間展」が、横浜市西区の横浜駅東口地下2階の「そごう横浜」前で開かれ、親子連れや通りすがりの人などが立ち止まって鑑賞していた。県内在住の被爆者による証言コーナーもあり、被爆の惨状に耳を傾ける人もいた。25日まで。

 展示されているのは、「県原爆被災者の会」会員の被爆者が、被爆当時の広島や長崎の様子を思い出して描いた44点。

 川崎市多摩区の主婦、藤田布美代さん(40)は、小学3年生の長女(9)、次女(5)と訪れた。藤田さんは「長女が小学3年になって、そろそろ戦争を理解するころ。戦争を繰り返さないため、戦争経験者の絵を見ることは必要なこと」と話した。長女は絵について「みんなが死んじゃうのが怖かった」と語った。

 被爆者の証言コーナーでは、初日の23日に葉山町在住の西純子さん(81)が母の残した手記を基に話した。西さんは広島の爆心地から1・3キロの自宅で母、兄、姉と4人暮らしで、原爆が落とされた当時は2歳だった。13歳の兄が爆心地から約800メートルの中学校で被爆し、看病する母に「僕をもう一度、産んでほしい」と願い、被爆から12日後に亡くなったことなどを話した。

 入場無料。午前11時~正午と、午後2~3時に会員の被爆者の証言コーナーがある。【遠藤和行】

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