高齢者に架空の化粧品販売事業に出資させて、金をだまし取った罪などに問われた会社役員の男に対し、京都地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
■「化粧品の代理店登録で高額配当」と高齢者にうそ
熊本市の会社役員・今村友治被告(57)は複数人で共謀し、2022年、高齢者4人に対して、「化粧品販売の代理店登録料を払えば、中国での転売事業の原資になり、登録料を超える高額な配当金が支払われる」とうそをつき、現金あわせて900万円を送金させた組織的詐欺の罪などに問われています。
■検察「配当を支払う意思も能力もなくなってからは、被害者から金銭を搾取」と指摘
この事件では他にも5人が起訴されていますが、今村被告が全体を指揮した首謀者で、検察側は、「配当を支払う意思も能力もなくなってからは、被害者から金銭を搾取していて、その巧妙、狡猾な犯行態様は悪質」などと指摘。
懲役4年、罰金100万円を求刑していました。
■「犯行態様は巧妙」も「全員に被害弁償」と執行猶予のついた判決
8月23日の判決で京都地裁(西川篤志裁判長)は、「高齢者らを相手として役割分担された組織を用いて行われた犯行態様は巧妙なものだった」と指摘。
さらに「配当金等を確実に支払うことができないことを認識した後も、真相を説明することなく、それまでと同様の方法で勧誘し、組織的詐欺の犯行に至っている」と述べました。
一方で、「自らの財産を売却したり、親族から借り入れたりして、全員に被害弁償をし、示談が成立している」などとして、今村被告に懲役3年、執行猶予5年と罰金100万円の判決を言い渡しました。
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