27日正午から72時間の停電リスクの独自予測=ウェザーニューズ提供

民間気象会社ウェザーニューズの予測によると、台風10号の接近に伴う暴風で九州から近畿地方にかけて広い範囲で停電の恐れが出ている。懐中電灯やモバイルバッテリーなどの準備に加え、エアコンなどが使えない状況を想定した熱中症対策が欠かせない。

同社は、過去の台風到来時の停電報告や台風10号の最大瞬間風速の見込みなどをもとに分析。27日正午時点の予測で、風が強まりやすい沿岸部を中心に、28日午後は九州南部、翌29日は九州北部で注意を呼びかけている。30日以降は中国、四国、近畿地方でも停電が発生する可能性があるという。

同社の担当者は「台風の動きが遅いため、同じ場所で24時間以上にわたって暴風が継続する恐れがある。停電からの復旧に数日かかることを見越した準備が必要だ」としている。

2018年に台風21号が近畿地方などを襲った際は、関西電力管内で延べ約220万軒が停電。一部は復旧まで2週間以上かかるなど市民生活に甚大な影響が出た。

台風発生時に看板やトタンなどが飛び、電線に接触するなどして停電が起きる事態が頻発している。風雨が強くなる前に看板などを固定したり、撤去したりするなどの飛散防止対策が求められる。

暑い時期に停電が起きるとエアコン、扇風機などが使えなくなるため、室内でも熱中症のリスクが高まる。熱中症による健康被害が多発している高齢者は特に注意が欠かせない。停電時に体を冷やす方法を知っておきたい。

厚生労働省などは「ぬれたタオルを肌に当て、うちわであおぐ」「のどが渇いていなくても、こまめに水分補給をする」「水浴びをする」などの行動で体を冷やすよう呼びかけている。日ごろから水をペットボトルに入れ、凍らせておくと冷却用、飲用どちらでも利用することが可能だ。

夜間時の発生や復旧まで時間がかかる事態に備え、懐中電灯、スマートフォンのモバイルバッテリーなどの準備も欠かせない。懐中電灯の上に水が入ったペットボトルを置くと広範囲を照らす「簡易ランタン」として役立つ。

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