♪~特殊サギサギ~還付サギサギ~詐欺はいろいろあります~
大阪府警曽根崎署が「東京ブギウギ」のメロディーを用いた特殊詐欺被害防止ソングを作った。東京ブギウギは戦後間もない1947年に発表され、高齢者にとってなじみ深い人気歌謡曲。詐欺グループに狙われやすい年代に防犯上の注意点を覚えてもらおうと替え歌にした。
府内の特殊詐欺被害は深刻だ。2023年の認知件数は2656件で東京都に次ぐ全国ワースト2位、被害額は36億6140万円と全国3番目の多さとなった。24年は7月末時点で認知件数こそ減っているが、被害額は前年同期比56%増の33億8383万円。すでに23年と同程度の金額が詐取されている。
このため、曽根崎署は効果的な啓発方法について検討してきた。なじみのある曲ならば耳に残り、被害防止策も忘れにくいと考えた。選んだのは服部良一が作曲し、笠置シヅ子が歌った「東京ブギウギ」。署によると、歌詞と曲について権利を持つ服部の孫朋子さんに替え歌にする許可を得た。
できあがった替え歌は「サギシャットアウト・ブギウギ」。歌詞は1番から4番まであり、さまざまな詐欺の手口を盛り込んだ。医療費などを返すと言って現金を詐取しようとする還付詐欺や、運用益が得られるとそそのかす投資詐欺、家族などを装って送金を依頼する「オレオレ詐欺」など。7月に導入されたばかりの新紙幣に関連する詐欺も紹介した。歌の最後は「うめだブギウギ リズムウキウキ 心ズキズキ ワクワク 被害のない すてきな街 みんなで作ろう」と締めくくっている。
26日に阪急うめだ本店(大阪市北区)で、お披露目イベントを開催。府警音楽隊の演奏に合わせて地元防犯グループのメンバーらが歌い出すと、買い物客らが軽快なリズムに体を揺らしていた。
イベントでは朋子さんからの「生前の祖父(服部良一)も、音楽は聞いてもらってナンボという考えだった。被害防止の役に立てたら(服部も)喜ぶと思う」とのメッセージも紹介された。署員らは歌詞入りのポストカードを配り、「遠くに住む家族にも伝えて」と呼び掛けていた。
曽根崎署生活安全課の中川トモ子係長は「ノリのいいリズムに合わせた、分かりやすい歌にできた。街で東京ブギウギを聞いた時に、特殊詐欺についても思い出して警戒してほしい」と話した。【小坂春乃】
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