北上を続けている台風10号について、気象予報士の酒井さんとお伝えします。まずは台風10号の進路を見ていきたいのですが、先週から比べると、かなり西寄りになりましたが、コースは定まってきたのでしょうか?
【酒井予報士】
・きのう夕方の進路予想からほぼ変化がないので、台風のコースは定まってきた。
・九州に上陸する恐れが高くなっている。
・現在も勢力が衰えることなく、非常に強い勢力で九州へと近づいている。
【児玉アナ】
この九州を縦断するコース、酒井さんはどう見ている?
【酒井予報士】
・台風の東側で雨・風ともに強まるという特徴がある。
・今回、宮崎県は台風の東側にあたるので、県内の大雨・暴風の被害が予想される。
・かなり危険な台風。一番いやな台風だと思う。
【児玉アナ】
過去の台風で似た台風はある?
【酒井予報士】
・おととし2022年に県内でも甚大な被害をもたらした台風14号に似たコース。
・今回のコースと重ねてみると、似たような進路になっている事がわかる。
記憶に新しい方も多いと思いますが、2022年の台風14号は「激甚災害」に指定され、県内で死者も出ました。その被害を振り返ります。
2年前、2022年9月の台風14号。宮崎市、都城市、三股町に台風の発表としては県内では初めてとなる大雨特別警報が出されました。
「私の後ろにある道は観光客が使う遊歩道なんですが、道が崩れ、路盤は流されてしまっています。」
「美郷町では何本もの電柱が、倒れたり傾いたりしています。」
「三股町の土砂崩れ現場です。たくさんの木がなぎ倒されています。そして下の方に白い小屋のようなものが土砂で押し潰されているのが確認できます。」
三股町で、土砂崩れに巻き込まれた40代の男性が死亡するなど、宮崎県内であわせて3人が犠牲になりました。県内で浸水被害に遭った建物は1000棟を超えました。
また、諸塚村の国道327号の崩壊や田畑の冠水など、大きな被害をもたらした台風14号は「激甚災害」に指定されました。
【児玉アナ】
今回の台風10号は、この2022年台風14号と似たイメージをもつべき?
【酒井予報士】
・台風14号は風も強かったが、被害は雨の影響によるものがかなり大きかった。
・今回の台風10号の雨の降り方も、2022年台風14号以上になる恐れがある。
・今後予想される雨量は、29日正午までの24時間で400ミリ
→これもかなり多い。数年に一度しか見ない。
・30日までの24時間で600ミリ
→初めて見たかもしれない。計算が間違えっているんじゃないかと思ったぐらい。
この3日間の雨量を単純に足し合わせると1000ミリを超えるところが多くなっていて、2022年台風14号の時の1.2倍~1.5倍になる。局地的に言うともっと増えていく可能性もある。宮崎市の年間降水量が2600ミリなので、その半分近くに匹敵する雨の量が、この3日間で降る可能性がある。
【児玉アナ】
どんな被害に警戒すべき?
【酒井予報士】
・特に考えられるのは、河川の氾濫。
・宮崎市のハザードマップを見ると、街中でも最大で1m程度浸水する想定。
【児玉アナ】
ここで宮崎市の中心市街地が浸水した2005年の台風14号の映像を見てみます。
(動画をご覧ください)
・大淀川の下流域(宮崎市)は、1日で600ミリ以上の雨が降ると、これだけの範囲で浸水する想定となっている。今回の予想雨量と同じ。
・私の自宅も大淀川が氾濫した際に浸水するエリアにある。家族を避難させようか迷っている、考えているところ。
先日の地震で地盤が緩んでいるところもあるので、土砂災害に警戒が必要?
【酒井さん】
地震の揺れが大きかった、日南市、宮崎市、串間市、都城市では、普段よりも少ない雨の量で土砂災害が発生しやすい状態となっている。気象台もこの4市については、地盤が緩んでいるリスクを踏まえて、大雨警報・注意報を先行して発表する。他の地域に大雨警報に切り替える可能性が高い。体感的に、まだそこまで降っていないという段階でも切り替わる。
【児玉アナ】
避難するタイミングはいつごろがよい?
【酒井予報士】
できればきょうのうちがいいと思う。強風域に入っていて、これから風も強まる。
あすから金曜日にかけて3日間、警報の可能性が高い。長期戦になる。
県内はあさって29日午前には暴風域に入り、29日午後に最接近する予想です。
今自分が住んでいる場所が安全な場所なのか、まずは確認して、ここは危ないという方はきょうのうちに動いた方が良い。
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