台風10号が全国で品薄状態が続く、お米列島の米どころを直撃する恐れもあります。
そうした中、収穫前に台風が来たら大きな影響が出るという農家は対応に追われていました。
27日午後3時過ぎの宮崎・日南市。
収穫時期の早い「コシヒカリ」を生産していて、すでに稲刈りを終えていたため、台風10号の影響を受けずに済んだといいます。
日南市の米農家・郡司貴光さん:
もう大体の方は刈り終えていると思います。(刈り終えて)どちらかというとラッキーですね。
その一方で長崎・五島市では進路を変えながら接近する台風をにらみ、予定を早めて稲刈りを行いました。
五島市の米農家は「本当は28日の予定なんですけど、台風で1日前倒しで急きょ刈り取りです。倒れてしまうと刈り取りにならないんで」と話しました。
実りの秋に迫る台風が心配される今は“令和の米騒動”と呼ばれる米不足の真っ最中。
各地のスーパーでは、米の売り場がカップ麺やパックご飯売り場に一変。
埼玉県のスーパーでは、大きな文字で米と表示された棚にパスタがずらりと並んでいます。
大阪府の吉村知事は「約8割の店で米の品切れが発生している」との調査結果が出たことを受け26日、政府に備蓄米を開放するよう要請したことを明らかにしました。
大阪府・吉村洋文知事:
政府の備蓄米が約100万トンある。需給が逼迫(ひっぱく)しているのであれば、倉庫に眠らせておく必要はないと思う。
しかし、坂本農水相は27日の閣議後の会見で「米の需給や価格に影響を与える恐れがある。(備蓄米の放出は)慎重に考えるべきだと考えている」と備蓄米の放出に慎重な姿勢を示しました。
坂本農水相:
6年度産米の生育は順調に進んでいる。平年より1週間程度収穫が早まる産地もあり、あわせて出荷も前倒しして行われる見込み。
そんな中、注目が集まっているのが「ふるさと納税」です。
ふるさと納税サイト「ふるなび」では、米の返礼品への寄付件数が2023年に比べ2倍近くに増えているといいます。
ふるさと納税サイト「ふるなび」久保田有生さんは「今この瞬間に『お米がない』という方々にとっては、ふるさと納税で解決できないかとの動きが確かにある」と話しました。
この秋収穫される新米の返礼品への先行予約にも、寄付が殺到しているといいます。
更に、「イット!」取材班が向かった千葉・南房総市の道の駅の特設コーナーに積まれていたのは、収穫されたばかりの新米。
買い求める人が続々と訪れていました。
中には横浜の友達にも買って帰るという人も。
農産物直売所 土のめぐみ館・伊勢田誠店長:
午前9時時点では5㎏だと50袋以上(米が)あったと思う。去年と違って少なくとも売り上げは5倍以上。
令和の米騒動はいつまで続くのか。
坂本農水相は、「新米の生育は順調に進んでいる」として、米不足は次第に解消していくとの見通しを示していますが、それだけに台風10号が心配されます。
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