土砂崩れの現場では行方不明者の捜索が続く(28日午前、愛知県蒲郡市)=共同

27日午後10時10分ごろ、愛知県蒲郡市竹谷町大久古の住宅で「土砂崩れが発生し、家族5人が生き埋めになった」と119番があった。同市消防本部によると、巻き込まれたのは70代夫婦と40代の長女と次女、30代の長男の計5人。

28日に発見された4人のうち、70代の女性は死亡し、男性は年齢、容体ともに不明。40代女性2人のうち長女は軽傷で、もう1人は重傷だが意識はあるという。安否不明の1人の捜索が続いている。

通報したのは長女で、28日午前0時20分ごろ発見され、病院に運ばれた。その後、捜索活動中の隊員の呼びかけに女性の声で応答があった。通報から約12時間後の28日午前10時15分ごろ、この40代女性が救助され、その後、70代女性と男性が発見された。

住宅は木造2階建てで、5人は当時、1階にいたとみられる。山の斜面に近く、市は大雨の影響で土砂崩れが起きたとみており、28日に周辺地域の住民に対して避難指示を出した。

中部地方整備局の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)は上空から崩れた現場を撮影。映像を基に救助の支援や応急対策を検討する。県は、蒲郡市に災害救助法を適用することを決めた。

現場は土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域などに指定されていなかった。県によると、住宅近くの斜面の傾きが、指定の条件に満たないとの判断があったという。

名古屋地方気象台によると、愛知県は台風10号周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が非常に不安定になり、大雨となった。蒲郡市では26日夜〜27日夜に8月の平年1カ月分(124.5ミリ)を超える138.5ミリの雨量を観測した。〔共同〕

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。