JR博多駅前のモニターに表示された台風10号のニュース(29日、福岡市博多区)

九州地方に上陸した台風10号の影響で、30日以降も工場の稼働停止や店舗の営業休止を決めた企業が相次いでいる。

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アサヒグループホールディングスは29〜31日にかけて国内5工場でビールや清涼飲料の製造停止を決めた。ビールなどを製造する博多工場(福岡市)は29日の製造を午後5時で終了し、30日は製造を停止する。アサヒ飲料の明石工場(兵庫県明石市)と六甲工場(神戸市)は30日午後から31日まで従業員の出社を取りやめ、清涼飲料の製造を止める。

ニチレイフーズは30日に福岡県と山口県にある子会社の工場の稼働を止める。29日に稼働を停止した長崎県の工場では台風の進路や状況を見て30日の稼働を判断する。

村田製作所は電流を安定させる部品を生産する岡山村田製作所(岡山県瀬戸内市)の稼働を30日は終日止める。

三菱重工業は29日、長崎造船所(長崎市)と下関造船所(山口県下関市)の従業員を終日出社禁止とした。三原製作所(広島県三原市)でも29日の夜勤から出社を制限し30日は終日出社を制限する。このほかの拠点でも在宅勤務や休日取得を推奨するなどの対策を取った。

武田薬品工業は光工場(山口県光市)を29日午後から稼働停止し、30日も終日稼働を停止する。大阪工場(大阪市)の操業は台風の進路および状況を見て判断する。

パナソニックホールディングスは電子部品を製造する鹿児島県南さつま市の関連工場の29日の稼働を停止した。30日は状況をみて判断する。

TOTOは九州に8カ所ある工場の稼働を29日午後までに止め、30日も継続して停止する。北九州市にある物流センターも29日午後から30日午前まで稼働を停止すると決定した。30日は台風の経路にあたる四国にあるショールームの臨時休館も予定する。

シチズン時計は29日に稼働を停止した鹿児島県日置市にある子会社の時計部品工場の稼働を30日午前も止める。

コンビニや飲食店が一時休業

セブン―イレブン・ジャパンは29日午後5時時点で、鹿児島や山口など8県の一部店舗、約1100店舗が一時休業した。物流でも一部遅配や未納が生じたという。

ローソンも29日午前9時時点で、鹿児島県、宮崎県を中心に約300店舗が一時休業した。自治体からの避難指示や交通機関の影響による従業員の出勤困難などの理由からだ。今後も店舗ごとの判断で柔軟に一時休業で対応する方針だ。

ファミリーマートは29日午前8時時点で、宮崎県と鹿児島県を中心に九州地方の約300店舗で一時休業を実施。29日から全国の約1万店に設置しているデジタルサイネージ(電子掲示板)で、台風に備える安全確保や停電、災害に対する備蓄を呼びかける告知を順次配信している。

イオン九州は29日、九州にある総合スーパーなど57店舗を臨時休業し、198店舗で営業を短縮した。またイオンモールは九州にあるアウトレット施設や商業施設など10ヵ所の営業を終日取りやめた。

飲食店の営業にも影響が出た。すかいらーくホールディングスは29日に鹿児島県や宮崎県などにある50店舗のファミリーレストランなどで終日営業を取りやめたほか、長崎県や佐賀県などの一部店舗で時短営業に切り替えた。

日本マクドナルドは鹿児島県内全24店を含め、熊本県や宮崎県など九州地方にある98店舗を休業したほか、同地域の30店舗で時短営業に切り替えた。南九州や中四国地方では配送の中止や遅延の影響も出ている。建物や人的被害は出ていない。

タリーズコーヒージャパン(東京・新宿)は29日も43店舗で休業や営業時間の短縮を決めた。対象は鹿児島や宮崎、福岡などの6県の店舗。30日の営業については未定で、入居する商業施設などの判断に委ねるという。

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