北海道根室市の根室高校で校舎内に大量のカビが発生し、8月28日から3日間の休校を決めましたが、カビの除去に時間がかかるとして9月2日までの休校延長が決まりました。

 根室高校によりますと、夏休み中の8月15日、教室の壁や机、イス、廊下など校舎全体にカビが発生しているのが見つかりました。

 なぜこのような事態を招いたのでしょうか。

 実は校舎の外壁は塗装工事のためシートで覆われていました。換気が悪くなり、湿気がたまりやすくなっていたとみられています。


1か月足らずで17日間も雨が降っていた根室市

 さらにタイミング悪く、雨が続いたことが考えられます。

 もともと8月は雨が多い根室市ですが、今年は8月28日までに17日間も雨が降りました。

 2日に1回のペースで、降水量は平年の1.5倍でした。

札幌と根室の8月の湿度を比較すると…

 同じ北海道でも、札幌市では湿度90%を超えた日は3日間だけなのに対し、根室市ではほとんどの日で90%を超えていました。

 80%を下回ったことはなく、”100%”の日が3日ありました。

 湿度が非常に高い状態が続いていたことが分かります。

 学校側は、生徒の健康に悪影響を及ぼす可能性があると判断し、カビの除去のため、9月2日までの臨時休校を決断しました。

 北海道教育委員会によりますと、カビとの因果関係はわかっていませんが、夏休み明け初日の26日から29日にかけて、生徒4人が目の充血や、せき、吐き気などの症状を訴えたということです。


カビが原因で考えられる症状

 カビが生えている状態にさらされると、呼吸器系に健康被害を及ぼすリスクが高まります。

 ちあき呼吸器内科クリニックの濱松千秋院長によりますと、カビが原因で「急性過敏性肺炎」になることもあるということです。


 薬で症状を抑えることはできますが、カビを吸い続けた場合は慢性化し、最悪の場合、呼吸困難になる恐れもあります。

 一刻も早くカビのある環境から離れることが大切です。

 湿気が多くなる季節。カビ予防を心がけましょう。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。