台風10号は9月1日に熱帯低気圧となり消滅しましたが、静岡県内に約1週間にわたり大量の雨を降らせました。

その影響で、県内各所で土砂崩れや道路の冠水、浸水など大きな被害が発生しました。

交通機関にも大きな影響を出した台風に翻弄された1週間を振り返ります。

台風に備え、静岡県袋井市の法多山尊永寺で風鈴を撤去する作業が行われていた8月25日。台風は日本列島から1000kmほど離れた南海上にありました。

しかし、その翌日の26日。

落合健悟 記者:
土砂崩れの影響でフェンスがひしゃげてしまっているのが確認できます。土砂の勢いの強さが伺えます。また、現在は重機による土砂の撤去作業も行われています

浜松市天竜区ではでは高さ約50メートル・幅 約40メートルにわたって斜面が崩れました。

27日には県内を大雨が襲い、各地で避難指示や土砂災害警戒情報が出されましたが、台風はまだ奄美大島付近にありました。

さらに28日、東海道線は静岡~豊橋で終日運転見合わせに。

光田有志アナウンサー:
静岡インター出入口付近です。高速道路が一部区間で通行止めになっている影響でしょうか、出入口付近の道路は混雑しています

そして29日夕方。静岡市駿河区で1時間に69.5mmの非常に激しい雨を観測。

齊藤力公 記者:
現在JR静岡駅付近を通っています。5分程前から急激に雨が強くなってきました。少し乾いていた地面も数分で水浸しになっています

清水区の和田川周辺では、川が氾濫した可能性があるとして警戒レベル5の「緊急安全確保」が発令されました。

齊藤力公 記者:
静岡市葵区の秋山川です、降り続いた雨の影響で川の水位がかなり上昇しているのがわかります

この日、県内では浸水や冠水が相次ぎました。

焼津市内では、道路の冠水によって約50台もの車が立ち往生。

そして30日夜。

鈴木櫻子 記者:
こちらの倉庫では斜面から崩れた土砂や木が流れ込んでいます。トタンを突き破り鉄骨も曲がっていて土砂の勢いの強さが見て取れます

静岡市葵区内牧では土砂崩れで倉庫が大破。

その後も雨は断続的に降り続き翌31日には…。

熱海市市民生活部・小圷透 部長:
轟音とともに建物内部に土砂の流出を確認し、危険な状態となったため施設より退避および現場から避難をした

熱海市では火葬場の裏山が崩れ施設内150センチの高さまで土砂が流入。

さらに、31日には静岡市清水区で1時間に59.5ミリの非常に激しい雨が降りました。

牧之原市にも緊急安全確保

鈴木櫻子 記者:
こちらの道路は冠水して脇を流れる用水路との境目がわからなくなっています。また奥には、車が1台ナンバーのあたりまで水につかり動けなくなっています

冠水によって清水区では警察に車の立ち往生の通報が相次ぎました。

牧之原市では市内を流れる3つの川が氾濫する危険性が高まったとして、市内全域に一時「緊急安全確保」を発令。

富士宮市でも道路が冠水。そして、連日降り続いた雨の影響は一夜明けて明らかに。

農業用ハウスが崩壊

杉本真弓カメラマン:
静岡市久能地区の土砂崩れ現場です。現在は水は流れていませんが周辺の農業用ハウスが土砂に埋もれてしまっているのが確認できます

イチゴ狩りで有名な清水区の久能地区では農業用ハウス。

近くの住民が撮影した映像には濁流が斜面を下っていく様子がわかります。

1時間前にあった農業用ハウスが流されてしまっていました。

イチゴ農家:
それは雨はね少しは予想したけれどもあんなに降るとは思わなかった。いまだかつて初めてだね。すごい雨でしたよ、何しろ一気に水があふれちゃったからね

福島流星 記者:
土砂崩れが発生した静岡市清水区のお寺に来ています。あちら奥、山肌が完全に見え その下に崩れた墓石が積み重なっています。

また、清水区村松の鉄舟禅寺では1日午後4時頃に裏山が崩れ、50基近い墓が土砂に流されました。

鉄舟禅寺・世永天山 住職:
雨もすごかったですから、上から滝のような泥水が流れて轍ができていますが、ずっと水が外の公道まで流れていった。なんにも手の付けよう 施しようのないそんな状況でした

東海道新幹線は9月1日夜になってようやく3日ぶりに全線で運転再開。
 
台風は1日、熱帯低気圧となったものの引き続き土砂災害に警戒が必要です。

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