岩手・一関市が発注した工事を巡る官製談合事件のうち、贈賄などの罪で起訴された市の元幹部職員と業者側の男の裁判が9月3日、盛岡地裁で始まりました。
2人は起訴内容を認め、検察側はそれぞれに懲役刑を求めました。

この事件で官製談合防止法違反・加重収賄などの罪に問われているのは、一関市の元幹部職員・那須野長己被告(60)、贈賄などの罪に問われているのは一関市にある永沢水道工業の元役員・千葉敏郎被告(68)です。

起訴状などによりますと、市の職員だった那須野被告は2019年11月からの約3年間、市が発注する水道工事などの設計価格の情報を提供した見返りに、千葉被告から合計23万円余りの飲食などの接待を受けた罪に問われています。
また千葉被告はその情報をもとに、複数の公共工事を落札した罪に問われています。

3日の初公判で2人は起訴内容を認め、このうち那須野被告は情報漏洩の動機について「事業をとにかく進めたかった」と説明。
接待を受けたことには「自分の意志の弱さだ」と反省の意を示しました。

千葉被告は贈賄などの動機について「売上を伸ばしたかった」と述べました。

裁判は即日結審し、検察側は那須野被告に懲役2年6カ月と追徴金23万円余りを、千葉被告には懲役2年を求刑しました。

一方、弁護側は2人が反省しているとしてそれぞれに執行猶予付きの判決を求めました。
判決は11月5日に言い渡されます。

一関市の公共工事をめぐってはこの2人のほか、現職の市の職員1人と別の業者の2人が逮捕・起訴されています。

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