SNSの広告などで、「スキマ時間活用!」「スタンプ送るだけでOK!」など、簡単な作業で手軽にお金を稼げるという広告を目にした事がある人は多いのではないか。国民生活センターは4日、こうした「スキマ時間」活用の副業に関するトラブル相談が増えているとして、注意を呼びかけた。

相談が増えているのは、SNSや動画広告、インターネット検索などで、「“いいね”を押すだけ」「スタンプを送るだけ」「スクリーンショットを撮るだけ」など簡単な作業で稼げるという副業について。高額報酬を得るにはまず振り込みをするよう指示されて振り込んだが、その後も様々な理由で振り込みをさせられた挙句、高額報酬は得られなかった等の相談が寄せられているという。

子育てしながら出来る副業を探していた30代女性の相談事例では、SNSで「動画SNSを見るだけで報酬を得られる」との広告を見て、メッセージアプリ経由で申し込んだという。指示通りに作業して数百円を受け取った後に「高額報酬のタスクがある」と誘われ1万円を支払い、チームでデータを入力する作業をこなしたところ、1万数千円が振り込まれた。次に3万円を振り込んでデータを入力したところ、「あなたのミスでチーム全員が損をした」と言われて処理費用として15万円を要求され、女性は支払った。その後も「次のタスクで戻ってくる」などとして40万円を振り込み、さらに「報酬引き出しのために必要」として70万円が必要と言われておかしいと気が付いたが、生活費をほぼ全て振り込んでしまったそうだ。なお、相手方の名前や連絡先は分からず、振込先はほぼ全て異なる個人名口座だったという。

別の30代女性も、SNSで「1分で稼げる副業」というSNS広告をきっかけにして、「いいね」を押すだけで稼げるという誘い文句に乗ったところ、最初は約4000円の報酬が得られたが、その後20万円を振り込むとアカウントが凍結され、凍結解除には40万円必要だと請求されたという。

いずれの相談事例でも、簡単な作業で報酬を得られると誘われ、最初は少額の報酬を得られて、その後様々な名目で金銭を請求されるという特徴があった。

こうした相談事例は、2020年度は1341件、2021年度2398件、2022年度2793件、2023年度3694件と増加していて、2024年度は前年度を上回るペースで相談が増えている。また平均契約購入金額も、2020年度約28万円、2021年度約30万円、2022年度約53万円、2023年度約76万円と急増し、2024年度にはついに約106万円と大台を超えた。

また相談者を男女別に見ると、男性20.1%・女性79.9%と女性が圧倒的に多く、中でも20歳代の女性は全体の40%近くを占めている。

国民生活センターは、「簡単に稼げる」「もうかる」事を強調する広告は詐欺の可能性があるとした上で、相手方に安易に銀行口座や免許証などの個人情報を開示しないように注意を呼びかけた。

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