2023年7月に、島根県江津市の自宅に火をつけ全焼させるなどしたとして、現住建造物等放火の罪に問われている元消防団員の女に対する裁判員裁判の初公判が9日に松江地裁で開かれ、女は起訴内容を認めました。

江津市の54歳の被告の女は、2023年7月に、ゴミ箱の中にライターで火をつけた新聞紙などを入れ自宅を全焼させたほか、周囲の3軒などに類焼させるなどし、現住建造物等放火の罪に問われています。

当時、消防団員でありながら犯行に及んだ被告は、9日に松江地裁で始まった裁判員裁判の初公判で、「間違いありません」と起訴内容を認めました。

続く冒頭陳述で検察は、被告が2004年頃から2023年7月頃まで、ストレス発散などの目的で通信販売などで買い物を繰り返していたこと、夫との性生活に不満があったなどの理由で十数人もの男性と不倫を繰り返していたことで、発覚の都度、母、子ども、夫から叱責され離婚なども提案されていたという犯行に至るまでの背景を説明しました。
そして「これ以上家族に迷惑をかけたくない」との思いや「自殺することで、叱責などをした家族に後悔させたい」などと考え、自宅に放火したという犯行の目的を踏まえ、犯行が悪質で周囲を巻き込む身勝手なものと指摘しました。

検察側と弁護側双方は、起訴事実で争う点はないとしていますが、被告の女が精神的トラブルで通院歴があり、精神状態が犯行にどのように影響したのかも含めて、争点は量刑となっています。

裁判はこの後、2日間の審理を経て9月13日に判決が言い渡されます。

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