早稲田大学は23日、世界最高水準の研究大学「国際卓越研究大学」をつくるため政府が創設した10兆円規模の大学ファンドの2回目公募に応じる考えを明らかにした。トップダウンで研究力強化を進める司令塔組織「グローバルリサーチセンター」(GRC)の新設を計画の柱とする。

卓越大の2回目の公募は2024年度中に行われる見通し。東京大や筑波大が既に再申請する方針を明らかにしている。文部科学省は23年9月、研究や組織改革の戦略を総合的に評価して東北大を認定候補に選んだ。

大学ファンドは資産を株式や債券で運用し、利益を複数の国際卓越研究大に最長で25年にわたり分配する制度。支援額の上限は合計で年3000億円を目指す。

GRCは1日付で発足。総長らが文理融合を推進し、各学部や研究科が連携して被災地支援や国際平和、エネルギー効率利用などを研究する。ボトムアップで生まれたスタートアップ事業などもGRCで統括して支援する方針だ。

国際競争力向上のために、2032年までに日本人学生全員に海外留学を経験させる。同年までに全学部の教員を国際公募とし、40年までには全ての専任教員が英語など日本語以外で授業ができることを目指す。

早稲田大の田中愛治総長は23日の記者会見で「日本の研究、教育のあり方を進化させ、日本社会の変革をけん引したい」と意気込んだ。

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