自宅の庭のプールで遊んでいたところ、突然隣家から「キーン」という金属音のような高音が鳴り響き、家族全員体調不良になり救急搬送される事態となった。
原因は、子どもの声による隣人トラブルか?それとも猫よけなのか?

YouTubeで公開のモスキート音

お盆休み中の8月14日、大阪・豊中市の自宅の庭で、家族でプール遊びを楽しんでいたところ、突然、父親が立ち上がり隣の家の方を見つめた。

加藤さん(仮名)は、「遊んでる途中で何か耳障りな音がした。金属音がザワザワっていう音がしだしたのと、子ども2人が急に泣き出したりとか頭痛いと言い出しまして…」と被害を訴える。

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この直後、“謎の金属音”の発信源を探して、隣の家の開いていた窓を撮影したという。

鳴り続ける「キーン」という高音と、泣き叫ぶ子どもの声。

モスキート音を聞き続けた家族は、頭痛などを訴え救急搬送されたというのだ。

「隣の家から流れてきたモスキート音を聞き続けて体調不良になった」と被害を訴えたのは、4人家族の加藤さん(仮名)一家。

加藤さん(仮名)は「(隣家の)2階の窓が開いていたので、テレビを外側に向けて何かを流しているのが確認できまして。どうやら、いわゆる“モスキート音”みたいだな、ということをYouTubeで発見できまして」と、その時の様子を振り返った。

隣の家の窓を撮影した映像からは、テレビ画面に映る色とりどりの飛行機が飛ぶアニメーションが確認できる

隣の家の窓を撮影した映像からは、テレビ画面に映る色とりどりの飛行機が飛ぶアニメーションが確認できる。

これを調べたところ、YouTubeで公開されているモスキート音の映像と同じものだったという。

“蚊の羽音”が由来となった「モスキート音」とは、キーンと鳴る高い周波数の信号音のこと。
人間は、年を取るほど高い音が聞き取りにくくなるが、若い年代にはモスキート音が“不快な高音”と感じられることがあるという。

被害を訴える加藤さん(仮名)は「すごい音量だったと思います。僕も妻も家族全員嘔吐(おうと)したり、僕が一番症状ひどくて立てないくらいで」と話す。

家族全員体調不良で救急搬送

30分以上にわたり、大音量の「モスキート音」を聞かされ続けたと訴える加藤さん(仮名)。

家族全員に頭痛や嘔吐などの症状が出たため、午後2時過ぎに110番通報したものの、その後も症状が改善しなかったため、午後4時半すぎには家族全員が救急搬送されたという。

加藤さん(仮名)の診断書

モスキート音との因果関係は不明なものの、加藤さん(仮名)は、『過換気症候群』や『脱水症』などとの診断を受けたという。

ーー(記者)隣家との関係は?
被害を訴える加藤さん(仮名):

普通の方よりは良好だったと僕自身は思ってました。当時に警察の方と一緒に(隣家に)行ったんですけど、僕が「証拠の動画撮影してます」と言った途端に、「お前のところも、うっさいねんからお互いさまやろう」と急にひょう変しまして。そこからは当事者同士話し合いができない状態でして…。

庭で遊ぶ子どもの声が耳障りになったためにモスキート音を流したのでは?と加藤さん(仮名)は憤りを感じているという。

被害を訴える加藤さん(仮名):
僕としては、法改正して個人でのモスキート音の使用を規制するなり、罰則をつけるなり、厳罰化してほしい。

取材班がモスキート音について、隣の家に取材したところ、「このあたりは野良猫が多く、糞尿被害もすごい」などと回答した。

モスキート音が招いた隣人トラブル。
はたして法的に責任を問えるのか。

橋下総合法律事務所・松隈貴史弁護士は「モスキート音に関する裁判というのは、まだないんじゃないか。因果関係が一番問題なんですけど、モスキート音自体が、猫よけの対策であったり、ネズミの対策であったり、利用されてる方も一定数いらっしゃいますので、一律それが人体にとって有害なものと言えないところが、今回の非常に難しいところ」と話す。
(「イット!」 9月9日放送より) 

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