離婚後も父と母の両方が子どもの親権を持つことを選べる「共同親権」の導入を柱とした民法改正案の審議が進む中、離婚前に夫からDVを受けていた女性や弁護士らが23日、国会内で集会を開き「共同親権を強制的に推し進めることはあってはならない」などと訴えた。

共同親権の導入を盛り込んだ改正案は、離婚時に父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、協議で折り合えない場合は家庭裁判所が判断するとしている。

DVや虐待の恐れがあると認められれば、どちらかの単独親権とする。

改正案は、親権を選ぶ際に父母の力関係の差で合意を強いられることなどがないよう「真意を確認する措置を検討する」などと付則に加える修正を行った上で衆議院を通過し、19日からは参議院で審議が行われている。

こうした中、集会には、離婚前に夫からDVを受けていたという女性や弁護士らが参加した。

女性は、「DVや虐待はそう簡単に見抜けるものではない。DVや虐待を受けている人を支える仕組みができていない中で共同親権が決まるのは不安であり恐怖だ」などと胸の内を語った。

また元家裁調査官で和光大学の熊上崇教授は、「進学や医療だけではなく日常監護、就学支援金など子供たちへの不利益が多い」と指摘した。

共同親権導入をめぐっては賛成の声が多くある一方、インターネット上での反対署名も広がりを見せていて、集会の中では集められた約22万の署名が野党議員に手渡された。

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