2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)は12日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「私は殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張した。

野崎さんは酒類販売業などで約13億円とされる資産を築き、被告と18年2月に結婚。自身の女性遍歴を重ねる半生を本に著し、テレビなどで話題となった。

捜査関係者によると、野崎さんは18年5月、自宅で倒れた状態で見つかった。死因は急性覚醒剤中毒と判明したが、遺体に注射痕はなかった。防犯カメラの映像から第三者が自宅に侵入した可能性は低く、被告のスマートフォンの解析で「覚醒剤」「殺人」などの検索履歴が見つかった。被告は21年4月に逮捕、その後起訴された。

起訴状によると、被告は18年5月24日、殺意を持って何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したとしている。

公判は予備日を含めて25回の審理が予定され、12月12日に判決が言い渡される。〔共同〕

和歌山資産家殺害事件 和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社の社長だった野崎幸助さん(当時77)が2018年5月24日、自宅で死亡した。死因は急性覚醒剤中毒。県警は21年4月、致死量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、殺人などの疑いで元妻、須藤早貴被告(28)を逮捕し、和歌山地検が同5月に起訴した。
野崎さんは生前、女性関係や半生を本に著し、欧州の伝説上の色男になぞらえ「紀州のドン・ファン」と呼ばれてテレビや週刊誌で話題となった。〔共同〕

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