新型コロナウイルスを理由に勤務先が娘のハワイでの挙式に参列させなかったのは違法だとして、京王プラザホテル札幌の元宿泊部部長が同ホテルに330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁(小河原寧裁判長)は13日、元部長の訴えを棄却した1審・札幌地裁判決を変更し、ホテル側に33万円の支払いを命じた。
判決によると、元部長は2020年2月、翌月にハワイで行われる娘の結婚式に参列するため、3月18日から8日間の有給休暇を申請した。社長は一旦、了承したものの、同17日に渡航禁止を命じ、元部長は式に出席できなかった。
1審は「元部長が感染して報道されていたらホテルの社会的評価は低下し、事業継続に影響しかねなかった」として、社長命令に合理性があったと判断した。一方、2審は、渡航リスクが遅くとも3月半ばまでに認識できたのに、休暇開始前日になって、会社側が従業員に休暇取得日を変更させられる「時季変更権」を行使したのは「権利の乱用というほかない」と断じた。
京王プラザホテル札幌は「判決の内容を精査し、対応を検討する」とコメントを出した。【伊藤遥】
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