文部科学省=東京都千代田区で2017年2月21日午前9時6分、北山夏帆撮影

 文部科学省は、研究職の業務負担を軽減するため、研究費の調達など研究活動を支援する「研究開発マネジメント人材」の育成に乗り出す。来年度予算として15億円を要求し、大学などが知的財産やマーケティングなどの専門知識のある高度専門職「リサーチ・アドミニストレーター(URA)」を採用した際の経費などを助成したい考えだ。

 研究者は自身の研究以外でも、研究費の調達や研究成果のプロモーションなどを担わなければならない。研究以外に忙殺されれば、研究に充てられる時間の不足につながり、研究力の低下を招きかねない。文科省科学技術・学術政策研究所の2023年度の調査では、大学教員の8割が研究時間の不足を実感しており、研究活動を支援する人材の育成が急務だった。

 URAなど研究開発マネジメント人材は研究者を支援するため、知的財産やマーケティングなどの専門知識を持ち、研究戦略や政策情報などの調査・分析、研究費の調達、広報活動を担う。21年にURAとして稼働しているのは、206機関1627人で増加傾向にあるものの、質の向上や待遇面で課題が多い。

 文科省は大学など20機関を選定した上で、博士人材をURAなどとして採用した際の経費などを年5300万円助成する。優れたURAの育成制度を持つ大学などを「研修提供機関」として七つ選び、研修費用など年4400万円を助成する方針だ。【垂水友里香】

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