新型コロナウイルス関連融資を巡り、無登録で約10億円の融資を仲介したとして、警視庁捜査2課は18日、独立行政法人「福祉医療機構（WAM）」元理事の三浦由博容疑者（67）=東京都品川区=ら3人を貸金業法違反（無登録営業）の疑いで逮捕した。同課は3人が経営難に陥っていた医療法人などに融資を働きかけ、多額の報酬を得ていたとみて調べる。

他に逮捕されたのはいずれも会社役員で、北村隆史容疑者（62）=大阪市=と北村健次容疑者（39）=同=の2人。

3人の逮捕容疑は2020年3〜8月ごろ、貸金業登録がないにもかかわらず、WAMの新型コロナ関連融資制度に関し、資金繰りに窮していた医療法人や社会福祉法人など5法人が約10億円の融資が受けられるように働きかけた疑い。手数料として約1億1千万円を受け取っていたという。

捜査2課は3人の認否を明らかにしていない。

同課によると、三浦容疑者は17年10月〜19年9月にWAMの理事を務めており、元理事の立場を利用して「自分を通せば確実に融資が受けられる」などと5法人に対し融資を申し込むよう勧誘。WAMには融資審査の進捗状況の確認などをしていた。三浦容疑者は19年10月〜20年12月にみずほ銀行の理事も務めていた。

3人は同様の手口で20〜21年に約64億5千万円の融資を仲介し、手数料として5億円近い報酬を得ていたとみられる。同課は生活費などに充てていたとみて捜査している。

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