小学4年の男子児童が授業中に溺死した高知市立南海中学校のプール=高知市で2024年7月8日午後4時45分、前川雅俊撮影

 高知県教委が県内の全小学校と義務教育学校を対象に水泳授業の安全状況を調査したところ、授業担当者とは別にプール全体の安全を確認する監視員が1人だけの学校が36%と全体の3分の1以上に上ることが分かった。これを受け、県教委は県内の市町村教委に対し、小学校の水泳授業では複数の監視員を配置することが望ましいとする通知を出した。

 高知市立長浜小学校4年生の男子児童が7月、近くの中学校のプールで水泳授業中に溺死した事故を受け、同月に181校を対象に緊急調査し、8月末に結果をまとめた。

 結果によると、全校で授業担当者とは別に監視者は置かれていたが、配置人数は1人=65校(36%)▽2人=47校(26%)▽3人以上=69校(38%)――とばらつきがあった。監視者には、教員以外に保護者や地域ボランティア、市民プールの監視員などが協力して当たっているケースがあった。

 事故が発生した長浜小では監視者が1人だった。県教委は「監視の死角をなくすためには対角線上の監視が効果的」として、調査結果と合わせて「複数の監視者を配置することが望ましい」と市町村教委に通知した。

 県教委は高知市が設置した事故原因を調べる第三者委員会の結果なども踏まえ、2025年度の水泳授業までに独自の安全指針を策定する。プールでの事故時の対応など実践的な教員研修も実施する方針だ。【小林理】

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