県営住宅家賃の過大徴収について謝罪する宮城県の幹部職員ら=仙台市の宮城県庁で2024年9月19日午後2時7分、遠藤大志撮影

 宮城県は19日、県営住宅の家賃について、2019年4月~今年8月に、68世帯で計約570万円の過大徴収があったと発表した。家賃決定に伴う所得控除の算定ミスが原因。同様のミスは県内23市町の運営する公営住宅計330世帯でも判明。県営と合わせ、誤徴収の総額は計約2800万円に上るとみられる。

 県営住宅について1世帯あたりの過大徴収額は1カ月あたり900~2万9700円。収入に応じた家賃決定の際、70歳以上の扶養親族に適用される老人扶養控除(10万円)について、公営住宅の入居名義人を除いて算定していた。公営住宅法の解釈を誤っていた。

 今年6月に国土交通省から算定方法を確認するよう通知があり、誤りに気付いた。19年3月以前の誤徴収分については記録を破棄しており総額は不明という。

 また同様のミスが起きた23市町では算定方法について県の助言を受けるなどしていた。県によると、19年4月~今年8月で過大徴収額が最も大きかったのが石巻市の約500万円(69世帯)で、気仙沼市の約310万円(42世帯)が続くなど、災害公営住宅が多い沿岸自治体で額が膨らんだ。仙台市は同様のミスによる過大徴収はなかったとしている。

 県住宅課の小野里啓課長は「県民の信頼を損ねる結果となった。深くおわび申し上げる」と謝罪した。県営住宅について、県は世帯構成や収入が判明すれば、過去10年の過大徴収分に限り対象者に還付するとしている。問い合わせは同課(022・211・3252)。【遠藤大志】

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