前線の影響で秋田県内で20日早朝、線状降水帯が確認され、気象庁は「顕著な大雨に関する情報」を発表した。雨は小康状態となったが、21日にかけて土砂災害や河川の氾濫などに警戒を呼びかけている。

前線の影響で県内には未明から早朝にかけて活発な雨雲が流れ込み、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が降ったところがあった。気象庁は、秋田県に線状降水帯が確認され、同じ場所で非常に激しい雨が降り続いているとして午前5時47分に「顕著な大雨に関する情報」を発表した。

1時間に降った雨の量は、秋田市大正寺で57ミリ、横手市と由利本荘市矢島で46.5ミリと9月の観測史上最も多くなった。

由利本荘市鶴沼では、側溝の水があふれて住宅に流れ込んだところもあった。浸水被害に遭った住民は「朝起きて外に出たら玄関の方から水が床上まで上がっていて驚いた。初めてのこと」と肩を落としていた。

由利本荘市によると、市内では午前10時半時点で、住宅の床上浸水が3棟、床下浸水が4棟確認されている。

浸水被害を受けた市内の書店では、スタッフが総出で床を拭くなどの作業にあたり、午前11時から営業を始めた。

由利本荘市は、岩城地域、大内地域、本荘地域の小友・北内越・南内越の3地区に一時、避難指示を出した。

交通にも影響が出た。由利本荘市赤沼下の国道105号では「赤沼アンダーパス」が冠水し、午前5時半から上下線ともに通行止めになったが、午前10時20分に解除された。

また、日本海沿岸東北自動車道は、岩城インターチェンジ(IC)と本荘ICの間で連続雨量が基準を超えたため、午前6時25分から上下線で通行止めとなっている(午前11時半時点)。

JRは、秋田新幹線こまちの上下線2本が運休・区間運休となり、上下線3本に遅れが出た。在来線にも運休・区間運休・遅れが発生している。

活発な雨雲は抜け、雨はピークを越えたとみられるが、由利本荘市と大仙市に大雨・洪水警報、秋田市・横手市・美郷町に大雨警報が出されている(午前11時半時点)。

21日も大雨となるところがある見込みで、秋田地方気象台は引き続き、土砂災害や河川の氾濫などに警戒するよう呼びかけている。

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