建設現場でアスベスト(石綿)を吸い肺がんなどを患ったとして、元労働者や遺族計34人が建材メーカー19社に計4億8510万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は20日、うち5社に計2億5280万円の支払いを命じた。原告全員の請求が認められた。

守山修生裁判長は判決理由で、屋内作業について、遅くとも1973年には石綿により疾患にかかる危険を具体的に予見できたとし、警告表示義務があったと判断した。

5社はニチアス、エム・エム・ケイ、太平洋セメント(いずれも東京)、エーアンドエーマテリアル(横浜市)、ノザワ(神戸市)。北海道の集団訴訟第3陣で、国とは最高裁が2021年5月に示した統一判断を受け、同11月に和解が成立している。

原告側代理人の高木淳平弁護士は記者会見で「全員救済に至ったのは画期的な判決と評価している」と話した。〔共同〕

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