能登豪雨の影響で、市立輪島病院(石川県輪島市)では断水が続くうえ、市の郊外で暮らす看護師が通勤できない中で、救急外来の患者の対応に追われている。さらに、避難所に行けなかった被災者を受け入れるなどし、災害拠点病院としての役割を全うしている。
元日の能登半島地震では能登半島の北部で広範囲にわたって断水した。能登豪雨でも停電により、ポンプが停止したり水道管が破損したりして再び断水に襲われた。
市立輪島病院は、21日夕方から水道が使えず、満タンにしていた病院内の貯水槽の水と、給水車による給水でやり繰りしている。節水のため、トイレはポータブル式に切り替えた。
病院の担当者は「給水車がいつ来るか、時間通りに来るか、不確定で困っている」と打ち明ける。
病院の向かいには、地震の被災者が住む仮設住宅がある。豪雨で床上浸水したため、病院はエントランスや会議室などを開放し、避難所に行けなかった約200人の避難者を受け入れた。
22日午前までに半分以上は仮設住宅などに戻ったが、状況によってはまた病院に避難してくるかもしれない。担当者は「外来を再開させるため、週明けまでには次の場所に移っていただかないといけないが……」と話す。
病院内の薬局によると、避難した人のうち体調不良を訴えた人はいなかった。だが、約30人から「2日だけでも薬を出してほしい」と要望があった。
「豪雨の影響で開いていない薬局が多くあると聞いた。近くで営業している薬局がここしかないとなると、今後どうなるのか」。担当者はそう不安を口にした。
石川県の22日午後4時時点のまとめによると、輪島市では断水戸数が把握できておらず、珠洲市1738戸、能登町は一部の仮設住宅で水道が使えなくなっている。
このため、日本水道協会石川県支部や国土交通省北陸地方整備局などが給水車を派遣している。
一方、停電は輪島市の約3600戸▽珠洲市の約910戸▽能登町の約600戸▽穴水町の約80戸――で発生した。【洪玟香、高木香奈】
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