稲垣真一アナウンサー:
「水害の発生から3日目となりました。今注意すべき点は何でしょうか?」
金沢大学・青木賢人(あおきたつと)准教授:
「洪水の被害に遭った地域では、泥出しや家の片付け作業などが本格化していると思います。その際くれぐれも気を付けて頂きたいのは『ケガによる細菌感染』です」
稲垣アナ:
「これはどういう事でしょうか?」
青木准教授:
「能登半島地震では下水道に大きなダメージがありました。今回の川の氾濫によって、下水道や浄化増から汚水があふれてしまい、川が運んできた土砂と混ざって 道路や家の中に流入していると思われます。こうした汚泥には細菌がたくさんいまして、もしケガをした傷口から体内に入りますと、『破傷風』などの様々な病気にかかる危険性があります。片付け作業の際は『肌を出さない』ことをポイントとして『長袖・長ズボン』『ヘルメットまたは帽子』『軍手やゴム手袋』そして暑いですができれば『マスク』も付けて作業してください」
稲垣アナ:
「他に注意すべき点は何でしょうか?」
青木准教授:
「建物の復旧作業は『すぐに乾かす』ことが大切です。床などが濡れたままですと、そこから木が腐ってしまいます。窓を開けて畳をはがし、家全体を乾燥させることが大切ですが、そのためには家財の搬出作業、畳をはがす作業など 大変な労力が必要だということがお分かりになると思います。ここで必要なのが『ボランティアの力』なんですね。地震の際にはボランティア不足が叫ばれましたが、今回はできるだけ早く、一度に大量のボランティアが必要な局面ですので皆さんのご協力を頂くのはもちろん、県や各自治体のボランティアセンターも受け入れ態勢をしっかりとしてほしいと思います」
稲垣アナ:
「今後は地震と水害の『ダブルの復旧』が進められることになっていきます」
青木准教授:
「そこで忘れてはいけないのは『現在の家の状況を写真に撮っておく』ことです。地震の罹災証明を受けた時、皆さん被害状況を提出しましたよね。今後国によって、この水害が「激甚災害」に指定されれば 同じように様々な支援を受けることが出来る可能性があります。さらに公費解体がまだの方は、今回の水害によって罹災証明の程度が変わる可能性があるんですね。ですので、いま家がどんな状態になっているのかをしっかりと写真に残しておくようにしてください」
稲垣アナ:
「能登では『復旧が振出しに戻った』と肩を落とす方も多いです」
青木准教授:
「お気持ち、心からお察しします。ここまで全力で頑張ってこられた事は十分理解しています。今回の局面は、ボランティアを含めた『顔の見える支援』が特に重要だと感じます。1月のはじめ、いやそれを超えるほどの熱量で県民全体で心を寄せ、 協力していくことが必要だと思います。」
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