県の「多文化共生社会の構築に関する万国津梁会議」の第1回会合が25日、県庁で開かれた。指針策定から15年が経過した多文化共生の取り組みを巡り、7人の委員から「遅れている」との意見が相次いだ。本年度中に玉城デニー知事への提言をとりまとめる。
沖縄に住む外国人は増え続け、昨年12月時点で2万5447人。外国人の相談を受けている特定非営利活動法人国際活動市民中心(東京)の新居みどり理事は「沖縄から自殺、妊娠、寝る所がないなど、命に関わる問題が来ている。支援がまだ弱い」と指摘した。特に仕事と勉強の両立に悩む留学生が深刻だという。
琉球大学の〓橋美奈子准教授も学校の受け入れ態勢不備を挙げ、「外国人が生活者として保証されているのか。交流する土台ができていない」と述べた。
沖縄ネパール友好協会のオジャ・ラックスマン幹事長は「ネパール人は英語も話せる人が多い。支援を受けるだけでなく、外国人観光客を助けることもできる」と双方向支援の意義を説いた。
委員長に就いた県国際交流・人材育成財団の宮城淳理事長は「外国人が沖縄の産業を支えていくことは間違いない。十分な情報提供も重要だ」と議論をとりまとめた。年内にあと3回会合を開き、提言内容を検討する。
(編集委員・阿部岳)
※(注=〓は高の旧字体)
(写図説明)県の多文化共生施策について意見を交わす万国津梁会議の委員=25日、県庁
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